社会学

「スモール・イズ・ビューティフル」と資本主義

「スモール・イズ・ビューティフル」は、イギリスの経済学者シューマッハーによって執筆された経済学に関するエッセイ集です。現代の物質主義や消費主義を批判し、環境問題に取り組むことの重要性を訴え、世界的なベストセラーになりました。イギリス政府の経...
哲学

老いは文明のスキャンダル

フェミニズム思想で有名なシモーヌ・ド・ボーヴォワールは、「人は女に生まれるのではない、女になるのだ。」という有名な言葉を残しました。これは、彼女の代表作「第二の性」からの引用で、性別は生まれつきのものではなく、社会的・文化的な過程を通じて形...
哲学

菊と刀(ルース・ベネディクト)

「菊と刀」は、アメリカの文化人類学者ルース・ベネディクトが日本文化について著した本です。彼女は、アメリカが第二次世界大戦に参戦するにあたって戦争情報局に招集され、日本班チーフとなりましたが、その時に纏めた報告書を基に本書を執筆しました。欧米...
アニメ

地獄の発明

地獄を描いたアニメ「鬼灯の冷徹」を見ました。ブラック・コメディの切れ味もさることながら、地獄に関する描写が多岐に亘っており、大変興味深い作品でした。この作品をみてから地獄に関する興味が湧き、いろいろ調べてみましたが、世界の地獄はなかなかバラ...
哲学

二重結果の原理

「二重結果の原理」というものがあります。一つの行為が二つの結果をもたらす場合、一つは善い結果で、もう一つは悪い結果であるとき、その行為を倫理的に適切に遂行することができるのはどのような時であるかを決定する原理です。いろんなケースがありますが...
哲学

差別と無知のヴェール

世界は差別で溢れています。歴史を学べば分かるように、太古の時代からずっとそうです。差別が無益であり、倫理にもとる行為であると皆理解している筈ですが、無くなる気配はありません。ドイツの鉄血宰相ビスマルクは、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ...
哲学

朝三暮四とマシュマロテストと死

「朝三暮四」という四字熟語があります。表面的な相違や利害にとらわれて結果が同じになることに気が付かないこと、うまい言葉で人をだますこと等を意味する言葉ですが、中国の故事が元になっています。中国の春秋時代の宋にいた狙公(猿回し)は、飼っていた...
哲学

インドラの網

華厳仏教の世界観を表現したメタファーに「インドラの網」というものがあります。インドラは、ヒンドゥー教やバラモン教の神で、雷と戦いの神として知られています。仏教にも登場しますが、日本では帝釈天と呼ばれています。従って「インドラの網」は「帝網」...
哲学

認知的焦点化理論

「認知的焦点化理論」をご存知でしょうか?社会工学者の藤井聡氏が主張している理論ですが、運と不運について考察しており、なかなか面白いです。この理論は、X軸とY軸のデカルト座標で表現することが出来ます。X軸は社会的・心理的距離軸です。原点から離...
宗教

資本主義的サンタクロース火あぶり事件

1951年12月23日、フランスのディジョンで、聖職者達が子供たちの目の前でサンタクロースの人形を火あぶりにするというショッキングな事件がありました。構造主義の盟主である人類学者のクロード・レヴィ=ストロースは、この事件について、「火あぶり...