ホリエモンの桃太郎理論

哲学

YouTubeを視聴していたら、ホリエモンこと堀江貴文氏が「桃太郎理論」という興味深い話を開陳していました。
日本の民話「桃太郎」はご存知だと思いますが、川で洗濯をしていたおばあさんが、川に流 れてきた大きな桃を拾います。この大きすぎる桃は見た目にも不気味であり、 普通であれば恐れを感じ、リスク回避の観点から桃を無視するかもしれません。「君子危うきに近寄らず」です。しかし、おばあさんはそれを拾い、あろうことか割ってみるという行動にでました。その 結果、桃太郎が誕生し、後に鬼退治をして大活躍します。
堀江氏はこの桃太郎の話を用いて、チャンスや機会は異質で予測不能なものであることが 多く、それらを恐れずに捉え、行動に移すことで新たな可能性を開くことができると述べています。一理ありますね。

まとめ
1.人類は臆病且つ心配性になるように進化した
2.旧石器時代と現在では死因が全く異なる
3.旧石器時代と現在ではルールが変わっている

結論
石器時代の思考回路では現代社会ではうまくいかない。

1.人類は臆病且つ心配性になるように進化した

おばあさんの様な行動をとれる人はなかなかいません。元来猛獣と比較するととても屈強とは 言い難い人類は、リスクを回避する為に臆病且つ心配性になるように進化しました。 夜の森林のなかを歩いているときに、物音がするとびくりとします。実際には風が吹いただけか もしれませんが、無害な物理現象に過ぎない場合でも、何者かの意図が働いていると考える ような心理メカニズムが進化の過程で選択されてきたことが推測されます。つまり、進化論的にいえば、心配性で被害妄想が強い個体の方が、危機を回避して生存する 確率が高かった訳です。蛮勇をふるって猛獣に果敢に立ち向かう個体よりも、石橋を叩いても渡らない位の個体の方が、旧石器時代では生存確率が高かったのでしょう。そうした臓病で心配性な種族の子孫が我々です。

2.旧石器時代と現在では死因が全く異なる

旧石器時代の主な死因は、感染症や寄生虫症、栄養不足等による疾病、狩猟や他の種 族との戦闘、野生動物の攻撃などによる外傷、地震・洪水・火山噴火などの自然災害であ ったと思われます。人類が、臆病且つ心配性であるように進化したのも、こうしたリスクの予兆を幅広く捉え回避する為です。
一方で、現在の主な死因は、癌、心疾患、脳卒中等の生活習慣病です。生活習慣病とは、食事、喫煙、飲酒などの生活習慣が発症の主な原因となる病気の総称です。認知革命・農業革命・産業革命を経て万物の霊長となった人類が、外敵や災害で死 亡することはかなり減少しました。
一方で、万物の霊長になった故に、適者生存の進化圧がなくなり、身体の進化は緩慢となりましたので、人類は精神的には臆病且つ心配性な状態のままです。

3.旧石器時代と現在ではルールが変わっている

旧石器時代と現在では、ゲームのルール自体が変わったようなものです。サッカーが得意な 人が、将棋も得意とは限りません。
過酷な自然環境のなかで生き延びるという旧石器時代のゲームと、比較的安全な社会環境のなかで成功するという現在のゲームでは、最適な身体的特長は異なります。
「桃太郎理論」とは、現在のゲームにおいては、おばあさん的なメンタルの方が上手くいく可能性が高いということだと思います。生活習慣に配慮すれば普通に生き延びることは可能です。勿論、ゲームは今後も変わる可能性があります。
ゲームチェンジの可能性を秘めているのは仮想世界だと思います。
仮想世界では、現実世界のしがらみは無効になります。人種・地縁・血縁・容姿・学歴・職歴等の一切はゼロクリアとなり、仮想世界ごとにゲームのルールも異なります。好きなゲームを求めて放浪することも可能です。生命の危険もありません。「桃太郎理論」に従って、自分を解放し大胆不敵な行動をとることも可能です。
失敗したら逃げればいいのです。何度でもなりたい自分になるべく、試行錯誤しながら放浪すればよいと思います。
現代人の仕事の大宗はブルシット・ジョブですし、消費もブランドへの記号消費等が可成りの部分を占めます。現実世界で時間や金等のリソースは節約可能です。
現実社会で最低限生命を維持できる程度に働き、リソースを節約しつつ無限の仮想世界で精一杯生きるという選択肢も有だと思います。

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