社会学

バイアス

フレーミング効果と幸福感

仮に病気や怪我の為に手術を受けなければならないとします。その際に医師から「生存率80%」と言われるのと、「死亡率20%」と言われるのでは患者の受け止め方は相当異なるでしょうし、手術を受けるかどうかの判断にも大きく影響すると思います。然しなが...
哲学

人間の終焉(ミシェル・フーコー)

フランスの哲学者ミシェル・フーコーは、「人間は波打ち際の砂の表情のように消滅するであろう」という有名な言葉を残しています。勿論、人類滅亡のことを云っているのではありません。フーコーは、「人間」は普遍的な存在ではなく、特定の歴史的状況の中で形...
哲学

「夜と霧」とテヘランの死神

「夜と霧」は、神経科医で心理学者のヴィクトール・フランクルによって書かれた著作です。ユダヤ人であるフランクル自身が、アウシュヴィッツを含むナチスの強制収容所での経験を基に著した本であり、極限状態での人間の精神と生きる意味について深く掘り下げ...
バイアス

アロンソンの不貞の法則

「アロンソンの不貞の法則」とは、アメリカの社会心理学者エリオット・アロンソンが考案した法則で、親しい人に褒められるよりも、新しく出会った人や、親しくない人から褒められる方が人の心に響きやすいという法則のことです。親兄弟の様な親しい人から褒め...
哲学

「無印良品」と「マトリックス」とボードリヤール

「無印良品」と映画「マトリックス」には実は共通点があります。どちらもフランスの哲学者・思想家ジャン・ボードリヤールの思想に触発されて誕生しています。「無印良品」は、セゾングループ代表だった堤清二氏が、ボードリヤールの主著「消費社会の神話と構...
歴史

Z世代と余命投票

新聞を読んでいると「Z世代」というワードをよく見かけます。定義は必ずしも明確ではないようですが、1960年代から1980年代初頭に生まれたX世代、1980年代から2000年代初頭に生まれたミレニアル世代(Y世代)に次いで、2000年代初頭以...
哲学

「カントの鳩」と人間

偶々、太宰治の「鬱屈禍」という作品を読んでいたら、「カントの鳩」という逸話に触れられていました。「カントの鳩」は、哲学の巨人カントの著作「純粋理性批判」における思考実験から来ています。この思考実験では、鳩が空中を飛ぶ際に空気の抵抗を感じ、「...
哲学

枢軸時代とゴーギャン

画家ゴーギャンの代表作の一つに「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」と題する絵があります。愛娘を亡くし、家から立ち退きを余儀なくされ、借金を抱えた上に健康状態も悪化するなど、ゴーギャンが失意のどん底にあった時に描いた...
バイアス

「根本的な帰属の誤り」とハリポタのマルフォイ

「根本的な帰属の誤り」とは、認知バイアスの一種で、人々が他者の行動を説明する際に、その人の性格や意図などの内的要因を過剰に重視し、状況や外的要因を軽視する傾向を指します。具体例を挙げると以下があります。遅刻:人が遅刻したとき、その人の怠惰な...
孤独

眉と白目

人間ほどはっきりとした眉を持つ動物はいません。また、人間ほど白目の割合が大きい目を持つ動物もいません。眉と白目は人間の特徴的なパーツと言えます。最も人間に近いと言われるのはチンパンジーとボノボですが、彼等には人間の様な眉も広い白目もありませ...