歴史

文学

蒟蒻問答(こんにゃく問答)

「蒟蒻問答」という古典落語があります。上州のとある古寺では和尚が亡くなり後を継ぐ者がいませんでした。心配した村の世話人、蒟蒻屋の六兵衛は、道楽者の八五郎に和尚にでもなってみないかと持ち掛けます。八五郎は二つ返事で承知します。ところが、ある日...
哲学

カルネアデスの板

「カルネアデスの板」は、古代ギリシャの哲学者カルネアデスの考えた思考実験です。舞台は紀元前2世紀のギリシャです。一隻の船が難破し、乗組員は全員海に投げ出されました。一人の男が命からがら、壊れた船の板切れにすがりつきました。するとそこへもう一...
哲学

ギュゲスの指輪

絶対に誰にもバレずに悪事をはたらくことが出来るとしたら、人間はどういう行動をとるでしょうか。誰もいない交差点で信号無視して横断歩道を渡るくらいのことは、やったことがある方も多いと思いますが、凶悪な犯罪の場合はどうでしょうか。プラトンの対話篇...
哲学

辺境としての日本

内田樹氏の名著「日本辺境論」を読了しました。非常に面白かったです。自分も日本人ですが、昔から日本人は変だなと思っていました。神社にも寺にもお参りに行きつつ、クリスマスを祝ったりします。この宗教的な無節操ぶりは本当に謎です。また、幕末には尊王...
哲学

菊と刀(ルース・ベネディクト)

「菊と刀」は、アメリカの文化人類学者ルース・ベネディクトが日本文化について著した本です。彼女は、アメリカが第二次世界大戦に参戦するにあたって戦争情報局に招集され、日本班チーフとなりましたが、その時に纏めた報告書を基に本書を執筆しました。欧米...
哲学

二重結果の原理

「二重結果の原理」というものがあります。一つの行為が二つの結果をもたらす場合、一つは善い結果で、もう一つは悪い結果であるとき、その行為を倫理的に適切に遂行することができるのはどのような時であるかを決定する原理です。いろんなケースがありますが...
哲学

差別と無知のヴェール

世界は差別で溢れています。歴史を学べば分かるように、太古の時代からずっとそうです。差別が無益であり、倫理にもとる行為であると皆理解している筈ですが、無くなる気配はありません。ドイツの鉄血宰相ビスマルクは、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ...
哲学

インドラの網

華厳仏教の世界観を表現したメタファーに「インドラの網」というものがあります。インドラは、ヒンドゥー教やバラモン教の神で、雷と戦いの神として知られています。仏教にも登場しますが、日本では帝釈天と呼ばれています。従って「インドラの網」は「帝網」...
宗教

資本主義的サンタクロース火あぶり事件

1951年12月23日、フランスのディジョンで、聖職者達が子供たちの目の前でサンタクロースの人形を火あぶりにするというショッキングな事件がありました。構造主義の盟主である人類学者のクロード・レヴィ=ストロースは、この事件について、「火あぶり...
歴史

ケインズの余暇社会とブルシット・ジョブ

経済学部出身者であれば誰でも知っているイギリスの経済学者ケインズが、1930年に発表したエッセイのなかで、「余暇社会」について言及しています。技術の進歩と生産性の向上により、人々は一日3時間だけ働けば生活できるようになる「余暇社会」が100...