歴史

哲学

「夜と霧」とテヘランの死神

「夜と霧」は、神経科医で心理学者のヴィクトール・フランクルによって書かれた著作です。ユダヤ人であるフランクル自身が、アウシュヴィッツを含むナチスの強制収容所での経験を基に著した本であり、極限状態での人間の精神と生きる意味について深く掘り下げ...
歴史

Z世代と余命投票

新聞を読んでいると「Z世代」というワードをよく見かけます。定義は必ずしも明確ではないようですが、1960年代から1980年代初頭に生まれたX世代、1980年代から2000年代初頭に生まれたミレニアル世代(Y世代)に次いで、2000年代初頭以...
哲学

「カントの鳩」と人間

偶々、太宰治の「鬱屈禍」という作品を読んでいたら、「カントの鳩」という逸話に触れられていました。「カントの鳩」は、哲学の巨人カントの著作「純粋理性批判」における思考実験から来ています。この思考実験では、鳩が空中を飛ぶ際に空気の抵抗を感じ、「...
哲学

枢軸時代とゴーギャン

画家ゴーギャンの代表作の一つに「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」と題する絵があります。愛娘を亡くし、家から立ち退きを余儀なくされ、借金を抱えた上に健康状態も悪化するなど、ゴーギャンが失意のどん底にあった時に描いた...
文学

「地獄の黙示録」とコンゴ自由国

1979年のフランシス・フォード・コッポラ監督の映画「地獄の黙示録」は、ベトナム戦争を舞台にしたアメリカ映画ですが、原作があります。原作はイギリス人小説家ジョゼフ・コンラッドの「闇の奥」ですが、実は舞台はベトナムではなくアフリカのコンゴです...
バイアス

お前だって論法

「お前だって論法」は、相手の主張や批判に対して、相手自身が同じような行動をとっていることを指摘することで、その批判を無効にしようとする論法です。例えば以下の通りです。A:「最近、あなたは遅刻ばかりしているよね。」B:「そっちだって、先週遅刻...
哲学

非風非幡

禅の公案の一つに「非風非幡」というものがあります。「風に非ず、幡(はた)に非ず」と読むようです。禅宗六祖・芸能禅師が、中国の広州を旅していたころ、とあるお寺で説法が行われていました。当時は、説法の日には旗を立てる習慣があり、その風になびいて...
バイアス

藁人形論法

藁人形論法(ストローマン論法)は、相手の主張を正確に捉えずに歪めたり、単純化したりして反論する論証の誤りのことです。例えば以下の例があります。A:子どもが道路で遊ぶのは危険だと思う。B:そうは思わない。なぜなら子どもが屋外で遊ぶのは良いこと...
文学

「沈黙の春」と生物多様性

大ベストセラーSF小説「三体」については、Netflixで実写版が制作されましたので、早速視聴してみました。非常に面白かったのですが、作品のなかでレイチェル・カーソンの「沈黙の春」が度々引用されていたのが印象的でした。「沈黙の春」は、人類が...
歴史

マッドマンセオリー(狂人理論)

マッドマンセオリー(狂人理論)という理論があります。この理論の核心は、国際的な外交戦略上、相手国に対して自国が予測不可能で、極端な行動に出る可能性があると信じさせることにより、相手国を威嚇し、譲歩を引き出すことにあります。近年、こうしたスタ...