歴史

歴史

類人猿とヒトと平和

私も含めて殆どの方は、チンパンジーとボノボの区別がつかないと思います。何れもヒトに最も近い類人猿と云われていますが、ボノボとチンパンジーの共通祖先とヒトの祖先は600万~700万年前に分かれ、100万~200万年前にボノボとチンパンジーの祖...

西田俊英の「不死鳥」

2024年6月に茨城県天心記念五浦美術館に行ってきました。五浦海岸は、明治時代に日本美術界の旧弊に抗う岡倉天心の指導の下、横山大観、菱田春草、下村観山、木村武山等が活躍した歴史的な地です。日本画壇の歴史を学べる展示も良かったですが、日本画家...
哲学

性善説・性悪説・性弱説

最近、会社で「性弱説」という言葉を聞くことが多くなりました。定義についてはいろいろと云われていますが、大雑把に纏めると「人間の基本的な性質は善であるが、脆く弱い存在でもあり、状況によっては悪いことをしてしまう」ということかと思います。孟子の...
幸福

アインシュタインの授業 9×10=91?

相対性理論でお馴染みのアインシュタイン先生について、興味深いエピソードを聞きました。とある授業でのことです。アインシュタイン先生が黒板に掛け算の九の段を書き始めました。「9×1=9、9×2=18、9×3=27・・・」と順番に書き進めていき、...
幸福

経路依存性と日々の生活

変化に乏しい日常を送っていると、生活がルーティーン化してしまい、脳への刺激も減るような気がします。健全な習慣を継続すること自体は大切なことですが、持続させる為にも中身を多少変化させることは必要です。自分でもたまにはっとすることがありますが、...
哲学

四十八茶百鼠と差異

「四十八茶百鼠」とは、江戸時代に沢山の茶色や鼠色が存在したことを表す言葉です。四十八や百というのは種類が多いことを形容する表現であり、実際には更に多くの種類の茶色や鼠色が存在したと云われています。一般的には茶色も鼠色も明度が低く、彩度も低い...
バイアス

「ヨナ・コンプレックス」と幸福感の射程

人間の欲求は、生理的欲求・安全の欲求・社会的欲求・承認欲求・自己実現の欲求の5階層に分けられるという、有名な欲求5段階説を唱えた心理学者のマズローですが、「ヨナ・コンプレックス」という興味深い概念も提唱しています。「ヨナ・コンプレックス」と...
哲学

人間の終焉(ミシェル・フーコー)

フランスの哲学者ミシェル・フーコーは、「人間は波打ち際の砂の表情のように消滅するであろう」という有名な言葉を残しています。勿論、人類滅亡のことを云っているのではありません。フーコーは、「人間」は普遍的な存在ではなく、特定の歴史的状況の中で形...
哲学

陽明門「魔除けの逆柱」と徒然草

豪華絢爛な日光東照宮の陽明門には12本の柱があります。全ての柱にグリ紋(倶利紋)という紋様が施されていますが、北側の一本だけがグリ紋が上下逆に彫られています。「満つれば欠ける」の諺により、不完全な柱を敢えて加えて魔除けにしたのではと言われて...
哲学

アウグスティヌスとパスカルの時間論

一般的に、時間は直線的に流れると考えられています。過去・現在・未来が数直線上に配置されているイメージです。キリスト教の教義では、時間は神の創造から始まり、終末へと向かう一方向の流れとして捉えられています。現在社会では、こうした直線的な時間の...