孤独

哲学

太宰治と浦島太郎

「浦島太郎」は、日本で最もよく知られた物語です。浦島太郎は苛められている亀を助けたところ、お礼に竜宮城に連れて行かれます。竜宮城では美しい乙姫にもてなされ、豪華なごちそうや音楽とともに楽しい日々を過ごします。しばらくたって母親のことが心配に...
孤独

寝そべり族と三放世代

世界中の若者達が苦悩しています。中国では経済の停滞に伴い、若者は就職や労働を通じた将来の見通しが立ちにくくなっており、若者の間に「寝そべり族」、または「躺平主義」(タンビン主義)という社会現象が起きています。また、韓国では「三放世代」と呼ば...
哲学

エピクロス派の死生観と剝奪説

生物にとって絶対的に存在する未来、それは死です。一般的には死は悪いものであると考えられています。古代から多くの賢人たちが死について考察してきましたが、死が悪いのかどうかについては、未だに万人が納得する結論は出ていません。それだけ死とは難しい...
孤独

今そこにある不幸とラ・ロシュフコー

いつもスマホに入れて持ち歩いているラ・ロシュフコーの「箴言集」にぐっとくる箴言がありました。「自分に与えられた知性は、これから起こるかもしれない不幸を予見することにではなく、今起こっている不幸に耐えることに使った方がよい。」人間の脳というも...
哲学

阿部一族と恥

文豪の森鴎外が著した「阿部一族」という短編小説があります。江戸時代初期の話です。肥後藩主細川忠利の病状が悪化し、側近たちは次々と殉死を願い出ます。老臣の阿部弥一右衛門もまた殉死の許可を乞いますが、厳格な彼を昔からけむたがっていた忠利は「生き...
アニメ

フリーレン現象

不老長寿の存在との共生をテーマとした作品を三つほど視聴しました。具体的には、「葬送のフリーレン」、「さよならの朝に約束の花をかざろう」、「江戸前エルフ」です。「葬送のフリーレン」では、主人公のフリーレンは、1000年は軽く生きる長命種のエル...
哲学

惑星ソラリス

「惑星ソラリス」は1972年にアンドレイ・タルコフスキー監督によって旧ソ連で映画化された後、スティーブン・ソダーバーグ監督によって2002年にリメイクされた作品です。舞台は、不可思議な海で覆われた惑星ソラリスです。主人公ケルビンは惑星上空に...
哲学

老いは文明のスキャンダル

フェミニズム思想で有名なシモーヌ・ド・ボーヴォワールは、「人は女に生まれるのではない、女になるのだ。」という有名な言葉を残しました。これは、彼女の代表作「第二の性」からの引用で、性別は生まれつきのものではなく、社会的・文化的な過程を通じて形...
哲学

差別と無知のヴェール

世界は差別で溢れています。歴史を学べば分かるように、太古の時代からずっとそうです。差別が無益であり、倫理にもとる行為であると皆理解している筈ですが、無くなる気配はありません。ドイツの鉄血宰相ビスマルクは、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ...
哲学

過去はブラックホール

「過去はブラックホールに似ている。近すぎると取り込まれて消えてしまう。」映画「ドラゴンタトゥーの女」の続編である「蜘蛛の巣を払う女」を視聴しました。この映画の中で、とある人工知能研究の権威が陰謀の犠牲になって殺害されてしまいますが、息子であ...