哲学

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風土と日本人気質

生まれ育った風土と気質には密接な関係があると思います。それが全てではありませんが、仕事上の付き合いであっても、相手の出身地を知っておくと、話題に事欠かないだけでなく、相手の気質についてある程度想像することができます。都道府県レベルでも風土に...
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リベラルデモクラシーとディストピア

橘玲氏の著書である「無理ゲー社会」を読むと暗澹たる気持ちになりますが、その鋭い分析にはいつも驚かされます。「無理ゲー社会」の下敷きになっているのは、リベラルデモクラシーです。リベラルデモクラシーは、一般的に「自由な市民による民主的な選挙によ...
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最遠平面とシャボン玉

エストニア出身のドイツの生物学者・哲学者ユクスキュルは、「環世界」という概念を提唱しましたが、関連して「最遠平面」についても説明しています。「最遠平面」とは、視覚を持つ生物が見ることのできる世界を囲む、想像上の平面のことです。これは、視覚を...
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エマニュエル・トッドの家族分類

「ソ連の崩壊」、「トランプ大統領の当選」、「イギリスのEU離脱」を予言したことで知られるフランスの歴史学者エマニュエル・トッドの理論が非常に面白いです。世界の家族類型は大きく四つに分類され、各国のイデオロギーや少子高齢化にも大きな影響を与え...
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詩人・萩原朔太郎の絶望と孤独

詩人・萩原朔太郎は、「日本近代詩の父」と称されますが、生涯にわたって強い絶望と孤独に悩まされ続けた詩人でもありました。「僕の孤独癖について」という短いエッセイもありますが、痛々しい程の孤独が吐露されています。天才故の孤独といえるかもしれませ...
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夏目漱石「私の個人主義」

明治の文豪である夏目漱石の「私の個人主義」という作品があります。学習院での講演録です。短い作品ですので短時間で読了可能です。暗中模索しつつ悩みながら個人主義に辿り着いた漱石の切なる思いが伝わってくる良い作品でした。 まとめ1.他人本位ではな...
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「私」とは何か

アメリカの神経科学者マイケル・ガザニガは、認知神経科学の創始者とも言われています。彼の最も有名な研究は、分離脳症患者に対するものです。これらの患者は、重症のてんかんの治療の一環として、左右の大脳半球をつなぐ脳梁が手術で切断されています。こう...
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仮想世界での幸福と現実世界での幸福

スティーヴン・スピルバーグ監督の映画「レディ・プレイヤー1」では、仮想世界と現実世界との間で繰り広げられる冒険が描かれています。現実世界は荒廃し、仮想現実は現実世界からの逃避場所としても描かれています。最終的には、現実にも確り向き合うべきだ...
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スワンプマン(沼男)と自己同一性

寝る前の私と起きた後の私は、本当に同一人物なのだろうかと考えたことはないでしょうか。アメリカの哲学者ドナルド・デイヴィッドソンによって提唱された思考実験に「スワンプマン」というものがあります。概要は以下の通りです。男性がハイキングに出かけ、...
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世界五分前仮説

イギリスの哲学者でノーベル文学賞受賞者でもあるバートランド・ラッセルは、「世界五分前仮説」という思考実験を提唱しました。その内容は「もし人や物、歴史や記憶、世界の全てが五分前に神によって突然作られたものだったとしたら」というものです。世界が...