哲学

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エリック・ホッファーの生き様

偶々読書をしていて、エリック・ホッファー(1902-1983)という、アメリカの社会思想家・哲学者のことを知りました。在野の研究者というだけでなく、その生き様が非常に興味深い人物です。独学で思索を深めた哲学者であり、労働者階級の背景を持ちな...
バイアス

滑りやすい坂論法

「滑りやすい坂論法」という論理的な誤りがあります。これは、ある行動や決定が連鎖的に悪化し、最終的に望ましくない結果に至ると主張する論理的な誤りです。この論法は、初めの一歩が取られると、制御不能な一連の出来事が起こるという仮定に基づいています...
哲学

太宰治と浦島太郎

「浦島太郎」は、日本で最もよく知られた物語です。浦島太郎は苛められている亀を助けたところ、お礼に竜宮城に連れて行かれます。竜宮城では美しい乙姫にもてなされ、豪華なごちそうや音楽とともに楽しい日々を過ごします。しばらくたって母親のことが心配に...
哲学

賢馬ハンス(実験者効果)

賢馬ハンスは、19世紀末から20世紀初頭のドイツで話題になった馬です。ハンスは、人間の言葉が分かり、数学の計算ができるとして当時大きな注目を浴びました。飼い主によるとハンスは加減乗除と分数が出来、時間も日付も分かり、音階も理解していて、さら...
哲学

青信号の謎

青信号は、どう考えても緑色ですよね。多くの人がそう思っている筈ですが、何故か「青信号」という言葉を受け容れています。自分自身、幼少期に疑問を持った記憶があるのですが、何故受け容れているのか分かりません。「青信号は緑だけど青というのが普通なの...
哲学

五感の不思議(マガーク効果)

人間の五感には、時に不思議な現象が起こります。例えば、マガーク効果は、視覚情報と聴覚情報が一致しない場合に起こる錯覚現象の一つです。具体的には、口の動き(視覚情報)と音声(聴覚情報)が一致しない場合、視覚情報が聴覚情報に影響を与えることで、...
アニメ

AIが人を操る未来

久々に物恐ろしい新聞記事を読みました。日経新聞の「人知超すAIは人を操る ゴッドファーザーが語る脅威」と題する記事です。「AI研究のゴッドファーザー」として知られるトロント大学のジェフリー・ヒントン名誉教授が、取材に応じた記事ですが、同教授...
哲学

エピクロス派の死生観と剝奪説

生物にとって絶対的に存在する未来、それは死です。一般的には死は悪いものであると考えられています。古代から多くの賢人たちが死について考察してきましたが、死が悪いのかどうかについては、未だに万人が納得する結論は出ていません。それだけ死とは難しい...
哲学

樽の中のワイン(集団的無責任)

「樽の中のワイン」という面白い寓話があります。山奥のユダヤ人の村に、新しいラビ(ユダヤ教の宗教指導者)が着任することになり、村人たちは祝いの宴を開くことにしました。教会の中庭に空の樽を用意し、前日までに村人それぞれが一瓶分のワインを樽の中に...
哲学

生物とは動的平衡

生物学者の福岡伸一氏は、生命とは「動的平衡」にある流れであると定義しています。「動的平衡」とは、生命体が常に分解と合成を繰り返しながら、一定の状態を保つことを指します。この表現だとやや難しいですが、人間の例で考えると分かりやすいです。我々人...