鬼切丸

歴史

飛蝗と人類

イギリスの古典派経済学者マルサスは、産業革命期の人口増加に直面してその動向を分析し、1798年に『人口論』を著しました。そのなかで有名な「人口は幾何級数的に増加するが、食糧は算術級数的にしか増加しない」という命題を打ち出しました。食糧供給が...
歴史

類人猿とヒトと平和

私も含めて殆どの方は、チンパンジーとボノボの区別がつかないと思います。何れもヒトに最も近い類人猿と云われていますが、ボノボとチンパンジーの共通祖先とヒトの祖先は600万~700万年前に分かれ、100万~200万年前にボノボとチンパンジーの祖...

西田俊英の「不死鳥」

2024年6月に茨城県天心記念五浦美術館に行ってきました。五浦海岸は、明治時代に日本美術界の旧弊に抗う岡倉天心の指導の下、横山大観、菱田春草、下村観山、木村武山等が活躍した歴史的な地です。日本画壇の歴史を学べる展示も良かったですが、日本画家...
哲学

人間とは何か? (マーク・トウェイン)

「人間とは何か?」は、「トム・ソーヤーの冒険」で有名なアメリカの文豪マーク・トウェインが、死の四年前に匿名で遣した作品です。「トム・ソーヤーの冒険」と同じ作者の作品とは思えない衝撃の内容でした。冒頭から「人間とは機械である」というぶっ飛んだ...
バイアス

タイポグリセミアとエレクトロハーモニクス

例えば「はめじしまて」という文字列を見た場合、 多くの人は「はじめまして」と認識します。我々の脳は、中間の文字が若干入れ替わっていても、単語の最初と最後の文字が正しい位置にある場合には、正しい単語として認識する傾向があります。どうしてこんな...
幸福

「死んだふり」という戦術

実際に効果があるのかは分かりませんが、昔は熊に出くわしたら「死んだふり」をすると良いなどとよく言われました。これに限らず、会議中に「死んだふり」をして意見を求められないようにする人をよく見かけます。少し気になって「死んだふり」について調べて...
哲学

性善説・性悪説・性弱説

最近、会社で「性弱説」という言葉を聞くことが多くなりました。定義についてはいろいろと云われていますが、大雑把に纏めると「人間の基本的な性質は善であるが、脆く弱い存在でもあり、状況によっては悪いことをしてしまう」ということかと思います。孟子の...
幸福

アインシュタインの授業 9×10=91?

相対性理論でお馴染みのアインシュタイン先生について、興味深いエピソードを聞きました。とある授業でのことです。アインシュタイン先生が黒板に掛け算の九の段を書き始めました。「9×1=9、9×2=18、9×3=27・・・」と順番に書き進めていき、...
幸福

経路依存性と日々の生活

変化に乏しい日常を送っていると、生活がルーティーン化してしまい、脳への刺激も減るような気がします。健全な習慣を継続すること自体は大切なことですが、持続させる為にも中身を多少変化させることは必要です。自分でもたまにはっとすることがありますが、...
幸福

エントロピー増大と整理整頓

エントロピー増大の法則とは物理学における熱力学第二法則に関連する概念ですが、簡単に言えば、物事は放っておくと乱雑・無秩序・複雑な方向に向かい、自発的に元に戻ることはないということです。日常的に見られる物理現象としては、コーヒーにミルクを入れ...